皇太子妃がお出でになる日
現場は、岐阜県加茂郡を流れる飛騨川支流の白川。異常気象で水嵩が増えていた。河原では、地元の小学生たちが、子供育成会の親たちに引率されて水遊びをしていた。決められた場所ではしゃいでいた子供たちの中で、赤い水泳帽子の小柄な男の子が、スーッと流れに呑み込まれた。
暫くして、その子がいないのに気ずづいた監視役の親たちは、流れに飛び込むもの、救急車要請の119番の電話を掛けようと河原を駆け出すもの…。団欒の河原は、たちまちのうちに大混乱に陥った。
おりしも、この日は『ぎふ中部未来博』白川町会場で『88イタリア・オルガン・フェスティバル』が企画され、聖心女子大時代からイタリア・オルガンに造詣の深い皇太子妃美智子さま(現皇后)が紀宮さまと白河会場を訪れる日に当たっていた。このため岐阜県警は県内の警察官を動員して警衛準備に入っていた。



