カトマンズ
カトマンズでは道に人があふれ、埃が立ちこめている。どうしようもないなと思いながら雑然とした迷路のような街をうろつくと何ともいえない安らぎと楽しさが味わえる。
楽しみは朝市である。毎朝町のあちこちの広場へ近郊の百姓さんが自転車やリヤカーに野菜や果物を一杯積んで売りに来る。あらかじめ相場を聞いておいて値切るのも面白いがこういうところでは土産物屋と違って案外ふっかけていない。
どれにしようかと迷っていると横からおばさんがこのマンゴーがいいよ、などと選んでくれる。マンゴーやパパイヤなどを買い帰りには大抵道に迷う。
誰でもよいからホテルの場所の「タメル?」と聞くと大声であっちと教えてくれる。なかには間違った方向をいうのもいるがそれもまた楽しからずやで過ごせるのがカトマンズの良いところだ。
食べ物も楽しみだ。朝は近くの「ちくさ」。若い兄妹3人でやっている小さな店でコーヒー、サンドイッチ、それにヨーグルトが抜群。昼夜には丼物、ネパールものもやっている。昼は路地の奥の韓国料理PICNIC。夜はEVEREST STEAK HOUSEで豪華ステーキ。
1500ルピーの高級ワインを飲んで4人でヒレステーキをたらふく食って全部で3000ルピー。ここの牛肉はヒンズー教の本場インドから輸入していてネパール人らしき客も来ている。ヒンズー教徒にとって牛は神聖な動物だがどうなっているのでしょうか?
もちろん日本料理もあちこちにありそれなりに良くできているが魚だけはすすめられない。以前塩鯖の焼き物を食ったことがあるが様になっていなかった。
海から隔絶されているので無理もない。蕎麦はうまい。元々そばがきのようにして食っていたが日本人が来て麺を作った。前者は安いが後者は非常に高い。
またネパール伝統のネワリ(NEWARI)料理のおすすめの店はHARATI。ボストンマラソンなど世界あちこちのマラソンを走り、日本にもなじみの深いご主人がやっている。ここで一昨年チベットでダウンした吉田さんが世話になったロビン君にお礼の会食をした。
6人でビール6本、料理18種類たらふく食って1100ルピー。間違いかと思ったがそうではないらしい。以前ツアーで行った観光料亭のネワリ料理は確か1人1500ルピーだったが?ご主人に日本に店を出したらはやるよ、と云ったら以前六本木の人から誘われたが原材料が調達できないのでやめたとのことだった。
ネパールの電力事情は悪い。今回カトマンズでは昼間は殆ど停電していた。夕方暗くなる頃に電気が来る。週末は長時間つく。ホテルは自衛策で自家発電を持っているが累計5日滞在した間に動いたのは2,3時間だけだった。理由は金がかかるということ。バスのお湯も夜の決まった時間帯しか出ない。まさに否応なしに究極のECOを実践している。
新政権はヘランブー地方に大規模なダムを造ってカトマンズの電力をまかなう計画を持っている。ネパールには水力発電が活躍する条件が整っておりCO2に影響なく電力を増やすことは可能だと思われる。
ネパールへ行ってつくづく思うのだが我々は便利さとか効率化を優先しすぎている。歩けば良いところを車に乗り、階段の替わりにエスカレーターを使ってCO2を発生しつつ自らの足を弱めている。
例えば乗り物の速度を半減すれば大きな省エネになるのにひたすら高速を追求し、ますます世の中を忙しくしている。東京と名古屋を1時間で結ぶ必要がどこにあるのだろうか。今回の経済危機はスローダウンのよいチャンスだと思うが世の中そう動くかどうか疑問である。
今のネパールには加速が必要だろうが我々にはビスターリ(ゆっくり)が求められるのではないだろうか。



